加藤和彦の『あの頃、マリー・ローランサン』を聴きながら、書いてます。
昨日の夕方、妻に、「加藤和彦が亡くなったとニュースに出てた」と言われ、「えっ?」と一瞬思ったのですが、どうも、本当みたいです。
皆と同じ言葉になってしまいますが、残念、の一言です。
『ボレロ・カリフォルニア』(1991)を出して、まもなく、安井かずみさんが亡くなり(1994)、その後しばらくは本当に「過去の人」のようになっていたので、ここのところの「和幸」、木村カエラを迎えてのミカバンド復活(こんなに格好良いロックをやられたら、若いバンドは面目ないなーと思いました)、新バンド:VITAMIN-Q、ユーミンとの共演などの充実ぶりや、おやじバンドの大会顧問や、大腸ガンのチャリティコンサートの活動でのメディアへの搭乗機会の増加は、ファンとして、喜ばしい状況だったのですが、あまりにもあっけない幕切れに、脱力感でいっぱいです。
結局、『ボレロ・カリフォルニア』が最後のオリジナル・ソロアルバムになってしまいました。
僕の加藤和彦のイメージは、名盤『あの頃、マリー・ローランサン』(1983)の世界を体現する、格好良い人といったところでしょうか。例えば、cafeは「キャフェ」って、発音するんだってね。
『あの頃、マリー・ローランサン』、高校生の時、本当に良く聞いてました。
あと、J-WAVE開局後、長く続いた、加藤さんの土曜夕方のプログラム、格好良かったなー。
特に、安井かずみ&加藤和彦で作った、
『それから先にことは』(1976)
『ガーディニア』(1978)
『パパ・ヘミイングウェイ』(1979)
『うたかたのオペラ』(1980)
『べル・エキセントリック』(1981)
『あの頃、マリー・ローランサン』(1983)
『VENEZIA』(1984)
『マルタの鷹』(1987)
『ボレロ・カリフォルニア』(1991)
は、多くの人に聴いてもらいたい。簡単に手に入る状態になっていないアルバムもあるのが、とっても残念です。特に、ソニーから出した『あの頃、マリー・ローランサン』と『VENEZIA』はリマスターされたものが一度も出たことがないので、強く、再発売を希望します。
『べル・エキセントリック』は、1981年というYMO絶頂期に、YMOの3人とパリのスタジオで録音したわけで、「こんな凄いことはできるのは加藤さんだけだな」と、初めて聴いた時に変な感心の仕方をしたことを思い出します。
最初は「あの素晴らしい愛をもう一度」(1971)や「愛・おぼえていますか」(飯島真理:1984)とSadistic Mika Band(+Sadistic Mica Band)と『マルタの鷹』が全然結びつかなかったんですが、この幅広さが、加藤和彦の凄いところなんだなと、その後、気づきました。
2004年に「あの頃、マリー・ローランサン2004」というトリビュートアルバムが作られた時には、「あー、このレコードを名盤だと思っている人がちゃんといるんだ。」と、とてもうれしく思いました。安井かずみ&加藤和彦が作り上げた世界を敬愛した止まない人達が集まってつくった温かい一枚です。





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